耐震補強をすると地震保険料が安くなる?その仕組みや適用条件を解説

公開日:2026/06/15 最終更新日:2026/06/16
地震保険料

地震への備えとして、耐震補強工事を行うと建物の安全性向上だけではなく、地震保険料の負担を軽減できるメリットもあります。適切な耐震改修によって一定の基準を満たせば、地震保険の「耐震割引」が適用され、長期的な家計負担の軽減につながります。本記事では、耐震割引の仕組みや適用条件、申請の流れについてくわしく解説します。

地震保険の「耐震割引」とは?耐震補強で保険料が安くなる仕組み

地震保険は火災保険とセットで加入する保険であり、地震や噴火、津波による建物や家財の損害を補償するものです。日本は世界有数の地震多発国であるため、保険料も決して安くありません。

しかし、耐震性能が高い建物は地震による損害リスクが低いと評価されるため、地震保険において保険料の割引制度が設けられています。そのため、耐震性能を高めて割引制度を活用することは、所有者にとって大きなメリットとなります。

また、次項で解説しますが、地震保険の耐震割引には、建物の性能や建築時期などに応じて複数の区分が用意されています。割引率は最大50%に達するケースもあり、毎年支払う保険料の負担を大幅に抑えられる可能性があります。

耐震補強工事は一時的に費用がかかるものの、補助金制度の活用に加えて地震保険料の軽減効果も考慮すれば、長期的なコストパフォーマンスの向上が期待できます。耐震改修を検討する際は、工事後の保険料削減効果まで含めて総合的に判断することが重要です。

最大50%割引も可能!地震保険の耐震割引4つの区分

地震保険の耐震割引には、おもに4つの区分があります。ただし、これらの割引は重複して適用されるものではなく、もっとも有利な割引がひとつ適用される仕組みです。

免震建築物割引

まずもっとも高い割引率となるのが「免震建築物割引」です。免震構造を採用した建物が対象となり、保険料が50%割引になります。

地震の揺れを建物に直接伝えにくい構造であることから、高い評価を受けています。

耐震等級割引

次に「耐震等級割引」があります。住宅性能表示制度における耐震等級に応じて割引率が決まり、耐震等級1で10%、耐震等級2で30%、耐震等級3で50%の割引が適用されます。

耐震等級3は消防署や警察署など防災拠点と同等レベルの耐震性能とされており、高い評価を受けています。

建築年割引

「建築年割引」は1981年(昭和56年)6月1日以降に新築された住宅が対象で、10%の割引を受けることができます。

1981年6月以降は新耐震基準が導入されたため、それ以前の建物よりも高い耐震性能を有すると考えられているためです。

耐震診断割引

そして既存住宅の耐震改修で活用しやすいのが「耐震診断割引」です。こちらも割引率は10%ですが、旧耐震基準で建てられた住宅でも、適切な耐震補強を行い現行基準に適合していることを証明できれば適用を受けられます

とくに築年数の古い木造住宅では、この耐震診断割引が現実的な選択肢となるケースが少なくありません。耐震改修によって建物の安全性を向上させるとともに、地震保険料の負担軽減も期待できるため、多くの住宅所有者が活用しています。

耐震診断割引を受ける条件と申請手続きの流れ

耐震リフォーム後に地震保険の割引を受けるためには、一定の条件を満たし、その事実を証明する必要があります。耐震診断割引の対象となるのは、耐震診断や耐震改修の結果、建物が現行の耐震基準に適合していることが確認された建物です。

たとえば、木造住宅の場合は、一般的に上部構造評点1.0以上がひとつの目安となります。評点1.0以上は「一応倒壊しない」と評価されるレベルであり、現行基準相当の耐震性能を備えていると判断されます。

この基準を満たすためには、単純に壁を増やすだけでは十分ではありません。建物全体のバランスを考慮しながら、耐力壁の配置や接合部の補強、基礎の状態などを総合的に改善する必要があります。

効率的な耐震補強を行うためには、専門家による診断と設計が欠かせません。建物の状態を正確に把握したうえで、必要な箇所へ適切な補強を施すことで、無駄な工事費用を抑えながら耐震性能の向上を図ることができます。

耐震診断割引を申請する際には、保険会社へ証明書類を提出します。代表的な書類としては、建築士や指定確認検査機関が発行する「耐震基準適合証明書」、あるいは自治体などが発行する「耐震基準に適合している旨の証明書」などがあります。

申請手続きをスムーズに進めるためには、耐震改修を依頼する建築士や工務店へ事前に「地震保険の耐震診断割引を利用したい」と伝えておくことが大切です。工事計画の段階から必要な証明書の取得を見据えて進めることで、改修後の手続きも円滑になります。

また、自治体によっては耐震診断や耐震改修に対する補助金制度を設けている場合があります。補助金と地震保険の割引制度を併用できれば、初期費用と維持費の両方を軽減できるため、より効率的に住まいの耐震化を進めることが可能です。

まとめ

耐震補強は建物の安全性を高めるだけではなく、地震保険料の軽減という経済的なメリットももたらします。地震保険には免震建築物割引や耐震等級割引、建築年割引、耐震診断割引があり、条件によっては最大50%の割引を受けることも可能です。とくに既存住宅では、耐震改修後に耐震診断割引を活用できる可能性があります。しかし適切な耐震補強工事を行うには、建物の現状を正しく理解することが大切です。そこで「耐震診断」が必要になります。まずは耐震診断を受けて、どのような工事が必要になるのか確認してみましょう。

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株式会社BERIの画像 引用元:https://taishin-beri.jp/

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よくある質問

  • 耐震診断では具体的にどのようなことをするのですか?
  • 一般的には建物の現地調査(外観劣化確認・コンクリートコア採取・図面照合等)を行い、現地調査の結果を基に有資格者が耐震診断(計算)を行うそうです。
  • 耐震診断にはどのくらいの費用がかかりますか?
  • 建物の規模や構造・設計図書の有無によって違いがあり、また補助金制度利用の有無によっても違いがあるため一概には言えないそうです。
  • 耐震診断に補助金制度などはありますか?
  • 全国の各自治体で、耐震診断・耐震補強設計・耐震改修工事に対する補助制度が整備されているようです。また、一定の要件を満たす耐震改修工事を行った場合、固定資産税の減額等の優遇が受けられるそうです。
  • どんな人が耐震診断を依頼しているのでしょうか?
  • 個人住宅からマンション・ビル・ホテル・旅館・医療施設・大型商業施設など、幅広く依頼しているようです。
  • 耐震診断はなぜ重要ですか?
  • 耐震診断は、地震などの自然災害による被害を最小限に抑えるために重要です。診断を通じて、建物の耐震性能に問題がある場合には、早期に対策を講じることができるため、人命の安全や財産の保護を確保することができます。
  • 耐震診断の目的は何ですか?
  • 耐震診断の目的は、建物の耐震性能を評価することです。診断結果に基づいて、建物の耐震性向上策や補強計画を立てることが目的となります。
  • 耐震診断はどのような建物に必要ですか?
  • 耐震診断は、主に古い建物や地震対策が不十分な建物に対して必要です。地震の活発な地域や過去に大きな地震被害があった地域でも、耐震診断が重要とされています。
  • 耐震診断の結果に基づいて何をすべきですか?
  • 耐震診断の結果に基づいて、建物の耐震性能を向上させるための対策や補強工事を検討する必要があります。専門家のアドバイスや報告書に示された改修計画に従って、建物の安全性を確保するための対策をすることが重要です。