日本は地震が多いため、地震に対する備えが必要です。建物の耐震基準は建築基準法で定められ、大地震が起きたあとなどに基準が見直され改正を繰り返しています。古い建物は古い耐震基準で建てられているため、耐震診断により最新の基準でどれくらいの耐震性があるかどうか確認できます。
東京都で耐震診断が義務化
東京都では東京都耐震改修促進法が定められ、耐震診断が義務化されました。どのような背景で耐震診断が行われるようになったのかを解説します。
耐震診断とは?
耐震診断とは、既存の建築物で旧耐震基準で設計され 耐震性能を保有していない建物を、現行の新耐震基準により耐震性の有無を確認する診断です。
耐震基準は大きな地震が発生したあとなどに基準が見直されています。旧耐震基準で建てられた建造物は、今の新耐震基準に満たない強度で建てられているため大きな地震により、大きな被害が出る可能性があります。
地震による耐震診断は建築物の耐震性を確認する診断になります。診断で強度不足が発覚した場合は耐震工事を行う、解体するなどの対応が求められるでしょう。
大地震発生を想定
首都直下地震が発生した場合、東京都は中枢機能を有しているため被害が大きくなると想定されてきました。
交通網の麻痺、停電、断水などが起きると想定されているため、耐震を強化して中枢機能が継続できるようにする、火災を防ぐ、命を守るなどの対策が必要です。
耐震性を強化
古い耐震性で建てられた建物はまだまだ現存しているため、大きな地震が起きた時少しでも被害を抑えるために耐震性の確認や確保が大切です。
東京都では2035年を目標に耐震性が不十分な住宅の耐震性を解消する、緊急時の輸送道路を確保するため沿道の建築物の耐震診断を促進する、旧耐震性基準で建てられた建造物の耐震性を見直すなどの取り組みを進めています。
耐震診断義務化の対象物件
耐震性が義務化と聞くと、どのような建築物が対象になっているのかが気になるところではないでしょうか。対象物件について解説します。
公共の建築物が中心
義務化の対象となるのは体育館や学校、幼稚園や老人ホーム、病院、百貨店、ホテル、工場、賃貸住宅などさまざまな建築物です。
原則的に旧耐震基準で建てられた建築物が対象です。不特定、多数の利用者が利用する場所、幼稚園や病院、老人ホームなど避難困難者がいる建築物などは大きな地震があった場合、多くの方の命を守るため耐震性が重要です。
対象の建物のなかでも階数や広さなどによって義務化されるかの条件があるので、古い建築物を所有している場合は確認しておきます。
耐震診断は義務化され、実施と報告、結果公表が求められています。ビルやマンションなどのオーナーの場合は法律や対象についての確認が重要です。
一般的住宅の場合
一般的な戸建て住宅の場合、旧耐震基準で建てられている場合、耐震診断は努力義務の対象となりました。
東京都は地震に対する地域危険度を公表しており、地域ごとの建物倒壊危険度、火災危険度、総合危険度を測定しランクづけしています。住宅がある地域の危険度をチェックしてみてはいかがでしょうか。
義務化された耐震診断の負担費用
耐震診断や改修工事には費用がかかります。古い建物を所有している方は確認しておきましょう。
補助金が活用できる
耐震診断や耐震改修工事には補助金が活用できます。自治体ごとの条件が異なるため内容を確認しておきます。
また耐震改修工事を実施した場合、減税措置もあるため内容を把握しておきましょう。耐震診断を行っている会社は補助金の精度について詳しいため、自治体と耐震診断を行っている会社に相談するのがおすすめです。
一般住宅の場合
義務化されていない一般住宅の場合は耐震診断を行っている業者に診断を依頼します。任意の耐振診断の場合も補助金が出る自治体もあるため確認が必須です。
古い家を売りに出す、家をリフォームするか解体するか悩んでいる、耐震性が心配なので確認したいなどの場合は耐震診断を検討してください。
そのほかにも家の増築を行っている、大きな窓がある、ビルトインガレージがあるなど家の強度や耐震性に不安がある場合も耐震診断を検討してください。自治体など公的な機関が紹介している業者など、信頼できる業者に診断を依頼するのがおすすめです。
いくつかの業者から見積もりを取って費用や内容、対応などを比較しましょう。
まとめ
日本は地震が多いため、建造物が倒壊したり命が失われたりしないよう地震に備える必要があります。東京都では建造物の耐震性を調べる耐震診断が義務化されました。義務化されたのは多くの方が利用する場所である、病院や学校、老人ホーム、ホテル、病院、百貨店などです。
上記の建物は、診断を実施、結果の公表が義務づけられました。一般住宅の耐震診断は努力義務とされていますが、耐震診断は補助金を活用できる場合があるので、診断を検討している場合は補助が活用できるかどうかチェックしましょう。
東京都は中枢機関として役割りが大きく、首都直下型地震が起こった場合、インフラやライフラインに大きな被害が起こると想定されています。被害を最小限にとどめられるよう耐震診断を行いましょう。