日本は地震が多く、建物を建てるときに地震に対する対策を行ってきましたが、大きな地震がきたあとなどに、建物の耐震基準の改正がなされています。昔に建てられた建物は現在の耐震基準とは異なる基準で建てられているため、耐震診断という診断で耐震性を調べることができます。今回は耐震診断を行っている東京建設業協会についてご紹介します。
東京都との協定を結ぶ実績を持つ
東京建設業協会は、東京都の耐震化に携わっています。どのような実績を持っているのか紹介します。
東京建設業協会とは?
東京建設業協会は、明治からある歴史ある組合です。親方が集まり、土工組合を設立したのがはじまりでした。組合のさまざまな改組がされてきましたが、1948年に東京建設業協会を設立しました。その後も社団法人東京建設業協会に改組し、2013年には一般社団法人東京建設業協会になります。
協会に所属することで、組合員は建設業に関係する資料が配布されたり、研修会や講習会に参加できたりするというメリットがあります。東京都の建築関係の同業他社と、研修会などを通じて意見の交換ができるなど、交流の場としても活用されてきました。
土木、建設業の法人であること、また東京都に常設の営業所を設置している場合、入会することができます。
耐震化促進に向けた協定を締結
東京建設業協会は、東京都と耐震化促進に向けた協定を締結し、耐震事業の支援や協力を行う協定を結びました。締結したのは、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化促進のための協定で
す。首都直下地震が起きた場合、首都圏の道路は大地震が起きたときに、復興の大動脈の役割を果たします。しかし、緊急輸送道路の周辺の建物が倒壊してしまうと、緊急車両が通れず、救助活動が遅れてしまう危険性があるでしょう。
そのため、東京建設業協会は、東京都と協力し、建物の所有者に向けて、耐震診断の情報提供や耐震診断を行っていきます。
耐震診断の費用
日本は、いつ大きな地震がくるかわかりません。十分な備えをするために、所有する建物の耐震診断を行いたいと思ったら、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。
木造の建物の場合
日本は木造の住居が多いです。昔に建てた木造の建物は、どれくらいの耐震診断費用がかかるのでしょうか。地震がきて建物が倒壊したり、破損したりしてから後悔しないよう、調べておきましょう。
建物の築年数がどれくらいか、建物の設計図はあるか、建物はどんな形状をしているかなどにより値段は変わってきますが、おおまかに1棟10万円から20万円ほどの費用がかかります。
古い耐震基準の木造の住宅だと、自分では住まないので売りたいと思っても、なかなかよい条件で売りに出せない可能性が高いでしょう。耐震工事を行い、耐震基準適合証明書を取得すれば、耐震性が高くなった証明になるため、購入希望者が安心して物件を購入できます。
鉄筋コンクリートの場合
木造の建造物と同じように、築年数や設計図の有無などで費用は異なります。耐震診断の費用は、1平米あたり1,000円~2,000円ほどで算出されます。
耐震診断・改修までの流れ
耐震診断、診断後耐震性に問題があり、耐震補強が必要な場合の改修の流れについて解説します。
予備調査からスタート
まずは、建物の予備調査を行います。設計図の有無を確認したり、現地で目視での確認を行ったりし、耐震診断が必要かどうかをまず判断します。
耐震診断を行う
現地で建物を詳しく調べます。図面と照らし合わせ、目で見て建物の老朽化具合やひび割れ、変形しているところがないかなどをチェックします。コンクリートの中性化や強度試験を行い、材質の調査も行います。
改修の設計、改修工事を行う
耐震診断を行い、耐震性の補強が必要とされたら、改修工事の計画を立てます。計画を立て、見積もりを出したのち、耐震補強工事を行い、建物が安全に利用できるようにします。耐震化工事やリフォームには、助成制度が使える場合があるので、自治体の制度を調べておきましょう。
改修工事を行わない場合は?
耐震診断を受けて耐震性に問題がない場合は、そのまま建物を使用できます。耐震性に問題があるとなり、改修工事をするとなった場合は、古い建物を壊して立替工事をすることになります。耐震工事にはある程度費用がかかるため、古い建物の場合建替を選択する方が、費用は安くすむ場合もあるでしょう。
また、建物を自分の好きにリフォームしたいと考えている方向けに、売主がリフォーム費用を負担するといった条件で、物件を売りに出すということもできます。自分の所有している建物は補強工事するべきか、建替か、売却するかなど、どの選択肢がベストなのかどうか考えましょう。
まとめ
日本は地震が多く、次にいつ大きな地震がくるか分かりません。そのため、しっかり地震に備えておきたいところです。日本の耐震基準は、大きな地震がきたあとなどに改正を繰り返しており、古い建物は新しい耐震基準を満たしていない建物もあります。
そのまま使い続けては、大きな地震がきた際に、倒壊の危険があるかもしれません。耐震診断を行うことで、建物の状態が把握でき、耐震性が低い場合は、耐震性を高めるための改修工事を行うことで地震に備えることができます。
診断や改修工事には助成制度が活用できる場合もあるので、大きな地震がくる前に調べておきましょう。
東京建設業協会の基本情報
会社名 | 一般社団法人 東京建設業協会 |
住所 | 〒104-0032 東京都中央区八丁堀2丁目5番1号 東京建設会館5F |
電話番号 | 03-3552-5656 |