耐震診断における一般診断と精密診断の違いとは?

公開日:2023/11/15 最終更新日:2024/07/04

いつ発生してもおかしくない「南海トラフ地震」や「首都直下型大地震」についての対策はしているでしょうか。地震大国である日本では、日々、住宅に求められる耐震性能が高くなってきています。そこで本記事では、住宅の耐震性能を判断する「耐震診断」の種類について解説します。

一般診断法は目視中心で進める方法!メリット・デメリットは?

一般診断は壁や天井を破壊せずに、目視のみで診断をする方法です。どのようなメリット・デメリットがあるのか見ていきましょう。

一般診断法のメリット

ここでは一般診断法のメリットについて解説します。木造住宅の一般診断法では「Iw値(上部構造評価点)」を使用し、建物の耐震性を評価します。Iw値については後述しますが、この値が大きいほど耐震性が高いという基準です。

まず一般診断で大きなメリットとなるのが、低コストである点です。一般診断は目視での診断となるため、大掛かりな工事がいらず、費用がかかりにくいといえます。また、工事が必要ないことは、人件費を削減することにもつながるため、結果的に費用が安く済むのです。

一般診断法は工事をしない診断のため、家の内部を見るために壁や天井を破壊するような作業は行いません。一定期間家に住めなくなったり、下にある壁を張り替えたりする必要がなく、大掛かりな工事がないため、短時間で耐震診断ができます。実際の所要時間は2〜3時間と言われており、休日に少し時間を作れば診断ができるでしょう。

一般診断法のデメリット

では、ここまで一般診断法のメリットを見てきましたが、デメリットはあるのでしょうか。ここでは一般診断法のデメリットについて見ていきます。

一般診断法は短時間で低コストであるため、家の内部を見るような診断はできません。そのため、家の内部で起こっているシロアリによる侵食や、柱の亀裂、内部破壊などが確認できないことがデメリットです。

住宅診断で使われる「Iw値」と「Is値」について解説します。まずIw値やIs値というのは「構造耐震指標」と呼ばれるものでIw値が木造、Is値が非木造の耐震性能を評価するために用いられます。評価する項目としては地震に対する強さである「耐力」や建物の形状、粘りなどです。これらの値は値が大きくなるほど耐震性が高くなります

内部構造まで確認する精密診断法!メリット・デメリットは?

次に内部構造までしっかりと確認する精密診断法について解説します。精密診断法は建物の壁や天井をはがして、内部構造を確認する耐震診断法です。メリットとデメリットをみていきましょう。

精密診断法のメリット

精密診断法は、しっかり構造を調査できるため精密な診断が可能です。診断にはすぐれた知識と経験が必要ですから、もちろん専門家のもとで実施されます。

精密診断法のデメリット

精密診断のデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。ここでみていきます。

壁や天井をはがして内部を確認するため、工事費用と人件費が必要になり、コストがかかるのが大きなデメリットです。コストがかかることと似ていますが、破壊する必要があるのも精密診断法のデメリットでしょう。

内部を確認するために壁や天井の一部をはがす工事と、調査後の補修工事が必要です。一般診断法では2~3時間程度で調査が可能でしたが、精密診断法は半日から一日程度の時間が必要です。改修工事ほどの時間はかかりませんが、一日程度家を開ける必要があることには注意が必要です。

診断ソフトによって補助金対象が変わることもある?

日本で行われる耐震診断では、多くの場合「一般診断法」が利用されます。そして耐震診断の多くは、全国の自治体から補助金が設けられており、耐震診断に利用する診断ソフトによって補助金額が変わってきます。

依頼者側がソフトの指定はできませんが、調査を依頼する業者が、どのソフトを利用しているか把握しておけば、補助金申請が可能かどうか判断できるでしょう。ここからは耐震診断のソフトの種類とおすすめソフトを紹介します。

ソフトの種類

一般社団法人日本建築防災協会のHPに記載されている耐震診断ソフトは、現在9種類あります。そのなかでもとくに優秀と言われているのは、耐震チェッカー、木耐博士N、HOUSE-DOC、耐震診断ソフトウエア「ホームズ君耐震診断Pro」の4つです。

このなかでも、とくに使い勝手がよく、耐震診断の補助金に該当しやすいソフトが「ホームズ君耐震診断Pro」です。一般診断法と精密診断法の2つに該当しており、信頼性が高いほか、全国の補助金申請に利用できます。

補助金を利用して耐震診断を行いたい方は、業者がソフトを利用しているかどうか確認し、念のため自治体の補助金制度も確認しておきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。本記事では、住宅の耐震性能を評価する「耐震診断」について解説しました。耐震診断は主に一般診断法と精密診断法の2種類があり、それぞれコストや時間、破壊の有無に違いがあります。

また補助金を使って耐震診断をしたい場合は、自治体HPをよく確認しソフトが対応しているかどうか確認することが大切です。本記事を活用して安く耐震診断を行ってみてください。

東京でおすすめの耐震診断業者比較

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会社名BERI日本建築検査協会ERIソリューション日本耐震診断協会ジャスト耐震設計さくら構造
特徴耐震診断実績多数!調査から補強設計まで一貫化で迅速かつ高品質な診断技術時代の要請に合った付加価値の高いサービスを提供する建築物の検査・評価企業業界最大手機関の子会社だから安心・信頼!高い専門性と中立性の調査診断技術多様な住宅構造で調査・診断・補強設計が可能な耐震診断に特化した専門機関50年以上の歴史を持ちリーディングカンパニーとして公平な検査を行う企業耐震に特化したプロ集団が在籍している耐震診断・耐震補強設計専門事務所耐震診断専門のプロ技術者が多数在籍する構造設計事務所
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