耐震診断はどこに頼めばいい?

公開日:2024/04/15 最終更新日:2024/07/29
耐震診断依頼

耐震診断は、大地震で建物が倒壊しないだけの耐震性があるかどうかの調査と確認の作業です。住まいの弱点を認識し、具体的な対策を立てるために行うものです。しかし、耐震診断をどこに頼めば良いか分からない方も多いでしょう。今回の記事では、耐震診断を頼める場所や耐震診断の流れについて、詳しく解説していきます。

耐震診断とは

耐震診断とは、建築物の耐震性を評価し、大地震に耐えられるかどうかを確認するプロセスです。建築物が人命を守り、倒壊しないだけの耐性の有無を確認する重要なステップです。耐震診断は、一般的に次のステップに従います。

診断の目的

大地震による建物の被害を最小限に抑えることが、耐震診断のおもな目的です。診断結果は、建物の耐震性に関する情報を提供し、必要な場合に補強策を提案する根拠にもなります。

認定の必要性

耐震診断には、専門の知識と経験が必要です。すべての建築士が実施できるわけではありません。耐震技術認定者が実施し、調査には約2時間かかります。 

耐震診断の種類

耐震診断には、主に1次診断法、2次診断法、3次診断法の3つの方法があります。

1次診断法は、建築物の設計図や構造計算書に基づいて、柱や壁のコンクリート断面積などを用いて耐震性能を評価する方法です。現地調査を行わずに行えるため、費用が比較的安価で短期間で診断することができます。

2次診断法は、1次診断法に加えて、現地調査を行い、建物の現況を把握した上で耐震性能を評価する方法です。非破壊検査や構造計算などを用いて、建物の構造状態を詳細に分析します。

3次診断法は、2次診断法よりもさらに高度な解析手法を用いて、建物の耐震性能を評価する方法です。有限要素法などの解析ソフトを用いて、建物の複雑な挙動をシミュレーションし、地震に対する安全性を検証します。

耐震診断を頼める場所は?

耐震診断を実施するためには、適切な依頼先を選択することが重要です。以下に、詳細を記載します。

建築士

建築士は、耐震診断を実施できる資格を持つ専門家です。建物の構造や設計に関する幅広い専門知識を有しており、耐震性を評価するにふさわしい能力を備えています。建築士は建物の設計段階から関与し、耐震性を高めるための設計提案を行うことができます。そのため、耐震診断と同時に耐震性を向上させるための、具体的な計画を策定してもらえるという利点があります。

耐震技術認定者

耐震技術認定者は、日本建築防災協会が主催する講習会に合格した専門家です。耐震診断を実施できる資格を持ち、耐震性に関する高度なトレーニングを受けています。よって、建物の耐震性に関する専門知識で、詳細な調査を行えます。熟練したプロフェッショナルが、個別の建物に合わせた適切な評価をしてくれます。

耐震診断会社

耐震診断会社は、多くの専門家が連携して、耐震診断を提供する専門機関です。これらの会社は、大規模なプロジェクトにとくに適しており、複数の専門家が協力して建物の耐震性を評価します。このアプローチには、異なる専門知識を持つプロフェッショナルの知見によって、包括的で高度な評価が提供されるという長所があります。また、耐震診断会社はプロジェクト全体を管理し、必要な補強策の提案も行います。

地方自治体

一部の地方自治体は、地元の住民や建物所有者に対して耐震診断を提供しています。このサービスは、地元の建築部門によって、建物の耐震性を向上させるための貴重なリソースです。地方自治体の耐震診断に関する詳細情報については、地元の行政機関に問い合わせるか、公式ウェブサイトで確認をしてください。

建物の耐震診断は、安全な生活環境を確保するために非常に重要です。それぞれの建物や目的に合った、適切な依頼先を選択しましょう。専門家のアドバイスを受けることで、建物の耐震性を向上させ、地震に対する準備を強化することができます。

その他、オンラインプラットフォームやウェブサイトを通じて、耐震診断サービスを提供する業者を見つけることも可能です。ただし、信頼性を確認するためには、詳細な調査が必要です。

耐震診断の流れ

耐震診断を依頼した場合、どのような流れで進行するのでしょうか。以下は、耐震診断の一般的な流れです。

予備調査(下見調査)

建物の設計図書(一般図・構造図)の有無の確認、建物の概要(延床面積・階高・竣工年など)など、事前に必要な情報を把握します。これに基づいて概算見積書を作成しますが、正式な見積もりは現地での確認が必要です。

1次調査

建物の耐力を算定するために必要な材料強度や断面寸法、経年指標に反映する建物の変形やコンクリートのひび割れ、形状指標に反映する建物の形状などを調査します。また、履歴調査や外観調査、コンクリート強度の調査なども行います。

2次調査

2次診断法または3次診断法による構造耐震指標の算定に必要な調査を行います。構造部材の耐力や構造きれつ及び変形の発生程度、変質・老朽化の程度などを調査し、より詳細な情報を収集します。

精密調査

精密調査では、精度の高い診断や補強設計を行うために、コンクリートの材料強度やヤング係数、配筋状態と鉄筋断面、施工状態などを確認します。また、コンクリート中性化や老朽化、鉄筋さびなどを考慮した材料強度の再評価も行います。

以上が耐震診断の流れです。これらの調査を通じて、建物の耐震性能を正確に評価し、必要な補強や改修を行うことで、地震などの災害から建物を守ることができます。

耐震診断の費用は?

素材別費用

建物の素材によって異なる費用の違いをみていきましょう。建物の素材によって耐震診断の費用は大きく異なります。一般的には、建物が木造か非木造かの違いでかなり費用が変わるといわれています。

鉄筋コンクリート造(RC造)

鉄筋コンクリート造(RC造)とは、強固な鉄の棒とコンクリートを組み合わせて作られた建築構造のことです。圧縮力に強いコンクリートと、地震の揺れにも耐えられる鉄の棒の組み合わせにより、マンションやアパートなどの多くの建物で使用されています。

ただし、建物の設計や施工品質によっては、鉄筋コンクリート造の特性が十分に発揮されない場合があるため、建物の状況に応じて耐震診断が必要です。耐震診断の費用については、建物の大きさや形状により異なります。

具体的には、延床面積が1,000㎡~3,000㎡の建物の場合、費用の目安は、おおよそ1㎡あたり2,000円~3,500円です。一方、延床面積が1,000㎡以下の建物の場合は、費用が1㎡あたり約2,000円以上となります。

しかし、建物の状態や構造図の有無によって費用は多少変動します。構造図がないと、追加料金で復元しなければいけません。

鉄骨造(S造)

鉄骨造は名前のとおり、建物の骨組みとなる部分に鉄を使用した構造のことです。地震には強いといわれていますが、それでも地震の揺れによって建物が傾いたり、窓や壁が破損したり、被害を受ける可能性は十分にあります。

耐震診断の費用は、延床面積が1,000㎡~3,000㎡の場合、目安としてはおおよそ1㎡あたり2,500円~4,000円となります。鉄筋コンクリート造と同じく、一般図や構造図が存在し、検査済みの建物であることが証明できる条件が必要です。延床面積が1,000㎡以下の場合、費用は1㎡あたり2,500円以上となります。

鉄筋コンクリート造よりも診断費用が少し高くなるのは、鉄骨の接合部や溶接部の調査が必要となり、それに伴う時間が必要になるからです。鉄骨の接合部や溶接部などの細かい調査が必要となり、時間も大幅にかかってしまいます。また、鉄骨造の建物は熱を伝えやすいため、火災にも注意が必要です。

木造

木造は、建物の骨組みに木材を使用した構造のことです。木でできているので自然素材で温かみがあり、見た目も美しいという反面、鉄筋コンクリート造や鉄骨造と比べて、地震に対する耐震性は劣るとされています。

木造住宅でも十分な耐震性を確保するには、定期的なメンテナンスや、状況に応じた補修が重要です。耐震費用は、建物の大きさや形状によりますが、延床面積が120㎡程度であれば、おおむね60万円~100万円となります。

ただし図面がない場合は、建物を実測しなければいけません。耐震診断に必要な図面を作成するため、追加の費用が発生する場合があります。

診断別費用

つぎに、各診断に掛かる費用です。簡単診断、一般的、精密診断と段階があります。段階ごとの費用と、特徴についてもまとめました。

簡単診断

「簡易診断」は、建物の大まかな耐震性能を確認する手法です。診断表を参考にして建物の強弱さをセルフで確認します。

そのため、費用もかからず、いつでも自分で診断可能です。建築年度、過去の災害経験、増築の有無、建物の平面形状など、いくつかのチェック項目にしたがって自己診断をしましょう。各項目には点数が割り当てられており、得点が高ければとりあえず緊急性は低いと判断されます。

しかし、得点が低い場合は危険である可能性が非常に高いといます。専門家のもとで、なるべく早急に見てもらいましょう。

簡単診断は、特別な資格や専門知識は必要ないため誰でもできます。心配であれば、まずは一度、試してみてください。

一般診断

一般診断は、建物の耐震性能をより詳しく評価するための診断方法です。建物の構造や使用されている材料、施工方法などを専門家が詳しく調査します。そして、調査結果をもとに、建物の耐震性能を評価します。

費用は大体10万円程度です。内訳は、目視による調査や報告書の作成などが大部分を占めています。ほかには、交通費や諸経費が含まれ、消費税を加えると、合計で約10万円となります。

一般診断では、専門的な知識が必要です。診断結果にもとづいて、耐震補強工事が必要かどうか、またその内容を判断します。調査は壁を壊すことなく目視だけで行います。

簡易診断でチェック項目の得点が低かった場合や、緊急性はないものの念のために診断を受けたい、という方は一般診断にて専門家に相談しましょう。

精密診断

費用は約20万円です。内訳は、一般診断と同様に、調査や報告書の作成などの技術料が大部分を占めます。さらに、現地での作業に必要な大工料や、交通費、諸経費、そして機材費が加わります。そのため、すべて合わせると一般診断よりも少し高額になります。

ただし、地震が発生してからでは遅いので、診断および定期的なメンテナンスは重要です。また、地域によっては補助金制度があり、5万円から20万円程度の補助金を受けとれます。

補助金制度を利用することで、一部費用を抑えられるでしょう。詳しい情報は、各地方公共団体の公式ホームページにてご確認ください。

まとめ

耐震診断は、大地震に対する建物の耐震性を確認し、人命を守るための、重要な検査です。適切な場所で耐震診断を依頼し、建物の現状を正確に把握することが大事です。そして、耐震診断の結果に基づいて、必要な補強策を実施し、安全な住環境を確保しましょう。耐震診断を検討している方は、ぜひ本記事を参考にして、ご自身に合った依頼先を探してみてください。

東京でおすすめの耐震診断業者比較

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会社名BERI日本建築検査協会ERIソリューション日本耐震診断協会ジャスト耐震設計さくら構造
特徴耐震診断実績多数!調査から補強設計まで一貫化で迅速かつ高品質な診断技術時代の要請に合った付加価値の高いサービスを提供する建築物の検査・評価企業業界最大手機関の子会社だから安心・信頼!高い専門性と中立性の調査診断技術多様な住宅構造で調査・診断・補強設計が可能な耐震診断に特化した専門機関50年以上の歴史を持ちリーディングカンパニーとして公平な検査を行う企業耐震に特化したプロ集団が在籍している耐震診断・耐震補強設計専門事務所耐震診断専門のプロ技術者が多数在籍する構造設計事務所
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